Dharma(ダルマ)が分散型融資プロトコルLeverで資金調達!スマートコントラクトでP2Pレンディングを実現

 

注目の仮想通貨関連スタートアップのDharma(ダルマ)が、700万ドルの資金調達を行いました。

ざっくり7億7000万円ですね。

このDharmaのような企業が非常に注目されてきています。

 

どのようなサービスなのか?

仮想通貨業界への影響は?

紹介していきます。

 

Dharma(ダルマ)とは/分散型レンディングプラットフォーム

Dharmaはアメリカ/サンフランシスコを拠点とするスタートアップで、分散型のレンディング(融資)プラットフォームである Dharma protocol を提供しています。

日本語表記ではダルマと報道されていますが、発音はダーマのほうが近いかも。

 

 

Dharma公式ウェブサイトはこちら。
https://dharma.io/

 

CEOはNadav Hollander。

彼は元Coinbase、元Googleです。

 

最近、元Coinbaseの出身者たちが仮想通貨業界で旋風を巻き起こしつつあり、彼らは「PayPalマフィア」になぞらえて「Coinbaseマフィア」と呼ばれはじめているそう。

 

 

彼らの中から、PayPalマフィアの一人であるイーロンマスク(テスラ/スペースX)のように超大物になる人物や、GAFAのような超巨大企業が輩出されるかもしれません。

 

なお、Dharmaと同様のサービスを提供する企業として、MakerDAO、CompoundやdYdXなどが挙げられます。

 

Dharmaは分散型の仮想通貨融資プロトコルを提供

Dharmaのサービスは簡単に言うと、銀行などを介すことなく、P2P(peer-to-peer)で仮想通貨の融資を行う為のプロトコルです。

 

仮想通貨を借り入れしたい人と、貸し出ししたい人を繋ぎ、その融資をサポートする非中央集権型のプロトコル。

 

Dharmaは分散型の技術、要はブロックチェーンにより非中央集権でプロトコルを実行し、

・透明性の確保
・手数料の削減
・スマートコントラクトによる契約の自動履行
・担保によるカウンターパーティリスクの排除

などを実現します。

 

DharmaはイーサリアムのERC20トークン、イーサリアムメインネットを使用。

 

Dharmaよって、世界中の人をP2Pで繋いだ個人間融資が可能になります。

 

Dharmaのホームページにもありますが、

  • Loanscan
  • Bloqboard
  • QuickLine

といったプロジェクトのレンディングプラットフォームはすでにDharma protocolにより構築されています。

 

BloqboardではDharmaを高機能なインターフェースで扱えるようになっています。

 

Yコンビネーターやコインベースから約8億円を資金調達

Dharmaは700万ドル(約7億7000万円)の資金調達に成功しました。

Dharmaへ融資した企業で、日本でも知名度が高いのはコインベース・ベンチャーズ、Yコンビネーターでしょうか。

 

注目すべきはYコンビネーター。

 

Yコンビネーターはスタートアップ企業の為のシードアクセラレーターで、そうそうたる顔ぶれの企業へ投資をし、成功させてきています。

 

Yコンビネーターが投資し、特に成功した企業には日本でも有名な、

  • Airbnb
  • Dropbox
  • Coinbase

が含まれます。

 

これらの企業の現在の評価額はいずれも10億ドル(1,000億円)以上

Dharmaもこれらの企業の仲間入りができるでしょうか。

 

分散型レディングプロトコル Lever(レバー)を開発 ビットコインのサポートも

今回のDharmaが資金調達した目的は「Lever(レバー)」というトラストレスなプロトコルを開発するためとのこと。

 

Dharma Lever(レバー)はブロックチェーン上でスマートコントラクトを使用し、P2Pでの個人間取引をトラストレスに実行できます。

ブロックチェーンを利用しているので、非中央集権型のレンディングプロトコルとも言えます。

 

Dharma Lever ではパーソナルなウォレットから直接デジタルアセットを貸し借りでき、近々ビットコインもサポートするとのこと。

Out-the-box, Dharma Lever natively supports any Ethereum-based asset and will soon add support for Bitcoin. And finally, Dharma Lever offers users the ability to borrow and lend crypto assets directly from their personal wallets — hardware, hosted, or otherwise. At no point in the loan lifecycle do users have to trust a third party to secure their orders.

引用:Introducing Dharma Lever – Dharma公式ブログ

 

 

The Blockの記事ではDharmaのマーケティング責任者Max Bronsteinのインタビューが紹介されています。

彼によるとDharma Leverは「数分の間に異なるアセット間のローンを可能とし」、「スマートコントラクトによるカウンターパーティリスク(契約不履行)の排除」の上、「従来の貸し手がオファーする半分のコスト」で融資を実現できるとしています。

“Investors can take out loans against a number of different assets in sheer minutes, counter-party risk can be eliminated by smart contracts, borrowers can freely move their principal anywhere they’d like, and most importantly, all of this can be done at almost half of the cost offered by traditional lenders.”

引用:Dharma raises $7 million to decentralize a fast-growing corner of the crypto market – The Block

 

Max BronsteinはLeverが「Genesis(ジェネシス)の代替手段となる」とも述べています。

 

Genesisは中央集権型の仮想通貨レンディングプラットフォームで、投資家向けに店頭取引で融資を行い、業績を伸ばしています。

仮想通貨の融資を手がけるジェネシス・キャピタルは、2018年の融資額が11億ドル(約1190億円)だったと発表した。弱気相場が続く中、第4四半期は前期比で100%以上も増加した。

ジェネシスの仮想通貨融資額 100%超増加 – コインテレグラフ

(※Genesis Global TradingはDigital Currency Group傘下で、Genesis Capitalを子会社に持っています。)

 

前期比で100%もの増加とは、この下落基調の仮想通貨相場の中でなぜだろうと思うかもしれませんが、その理由はこの記事の後半にて説明します。

 

Dharmaは注目のDeFi(Decentralized Finance/分散型金融)

DharmaのようなプロジェクトはDeFiと呼ばれ、大変注目されています。

 

  • DeFi=Decentralized Finance=分散型金融、非中央集権型金融

 

DeFiについては、分散型レンディングプロトコルの集約プラットフォームであるBloqboardが、2018年のオープンプロトコルによるデジタルアセットの詳細なレポートをウェブサイトに掲載しています。

非常に読みごたえがあり、興味がある人は是非読んでみてください。

Digital Asset Lending via Open Protocols 2018 – Bloqboard

 

このレポートによると、仮想通貨の分散型レンディングプロトコルを提供する大手4社での2018年の総融資額は2億5141万ドル。

大手4社(Compound / Dharma / MakerDAO / dYdX)

引用:Digital Asset Lending via Open Protocols 2018 – Bloqboard

 

アクティブなローン残高は、2017年12月31日時点の600万ドルから、2018年12月31日時点では7200万ドルへと1200%も増加したとのことです。

 

ビットコインの市場価格がピーク時から80%以上も下落している裏で、こんなことが起きていたんですね。

 

こちらは同レポートによるDeFiのランドスケープ。

引用:Digital Asset Lending via Open Protocols 2018 – Bloqboard

 

ここにカウントされている企業は今後要注目でしょうか。

 

なお、レポートの最後には「Dharma Leverは2019年第1四半期にリリースが予定されている」との記載があります。

 

日本国内でのレンディング事業

レンディングといえば、ビットバンクやコインチェックといった日本の取引所でも行ってますね。

レンディング(仮想通貨とは?稼ぎ方は?仮想通貨投資でまだ稼げるのか?リスクとメリットも)

 

ただこれは分散型ではなく、取引所が仲介する中央集権型になります。

 

下落基調で仮想通貨の融資業は急激に拡大中

上記のように、Genesis(ジェネシス)などの仮想通貨融資業は絶好調です。

その理由として、仮想通貨市場が下落基調であるため、ショートポジションを取る投資家に対しての貸し出しが伸びているとのこと。

 

ステーブルコインが下落相場でその存在感を増しているのと同様ですね。

テザー(仮想通貨)の会見!最新情報!問題の影響と解決はいつ?公聴会で疑惑はどうなった?

 

 

このように、相場が下降線だからと言って全てに悪影響があるわけではなく、逆に成長する分野も出てきています。

 

Genesisなどは元々ポートフォリオのリスクヘッジや、ショートポジションへの利用を想定してこのビジネスをスタートしていますので、ドンピシャにハマったという事になりますね。

 

仮想通貨業界への影響は?

仮想通貨のレンディングは投資家向けだけではなく、世界中の個人間融資でも非常に注目されています。

 

Dharmaなどのレンディングプロトコルでは、世界中の個人間をシームレスに繋ぎ、仮想通貨融資をスピーディーに、少ない手数料で、リスクを低減して行うことができます。

 

私たち日本人は、銀行やその他の機関の充実した融資サービスを受けられる状況にあり、余りピンとこないかもしれませんが、しっかりした金融サービスを受けられない途上国の人たちが、インターネットに接続できる環境さえあればこういったプラットフォームで融資を受けられるようになる、というのは非常に大きなことでしょう。

 

今や携帯電話の契約数は途上国でも飛躍的に伸びており、スマートフォンの利用も増加していて、Dharmaのようなプラットフォームに接続することはあまり難しくなくなってきています

このようなプラットフォームが着々と準備されていき、どこの国でも利用できる金融サービスとなる、正にインターネットとブロックチェーンが実現するボーダレス社会の到来です。

 

途上国にはそもそも自国通貨を信用していない人たちがたくさんいますので、仮想通貨のレンディング事業はまだまだ伸びていく可能性があります。

Dharmaのようなサービスは仮想通貨の利用価値を上げ、長期的には相場へも好影響を与える可能性は十分にあるでしょう。